Apple Musicの「アーティストフォロー」はなぜ消えた？廃止の真相と今使える代替機能を徹底解説

2025年12月5日

「昔はApple Musicでアーティストをフォローできたのに、いつの間にかボタンが消えている…」そう感じた人も多いのではないでしょうか。

実はこのフォロー機能は、2015年から2018年まで存在した「Apple Music Connect」というSNS的な仕組みの一部でした。

しかし、利用率の低下と戦略転換によりAppleはこの機能を廃止し、現在は「お気に入り（Favorite）」や「通知設定」を中心にアーティストを追うスタイルへと進化しています。

この記事では、Apple Musicのフォロー機能がいつ・なぜなくなったのかを時系列で整理し、今使える代替機能やおすすめのアーティスト追跡方法を詳しく紹介します。

フォローがなくても大丈夫。 Apple Musicの最新機能を使えば、あなたの好きなアーティストをもっと近くで感じられるはずです。

Apple Musicの「アーティストフォロー」機能はなぜ・いつなくなったのか？

「昔はApple Musicでアーティストをフォローできたのに、今はボタンが見当たらない…」そう感じたことはありませんか。

実はそのフォロー機能は、Apple Music初期に存在していた「Apple Music Connect」という仕組みの一部でした。

ここでは、その機能がいつ登場し、どうして静かに消えていったのかを整理していきます。

フォロー機能の正体は「Apple Music Connect」だった

2015年、Apple Musicが始まった当初には「Connect」というSNS的な要素が組み込まれていました。

アーティストをフォローすると、投稿した写真・動画・コメントなどをアプリ内で確認でき、まるでTwitterの音楽版のような構想でした。

フォローしたアーティストの投稿は「Connect」タブに一覧表示され、ユーザーはコメントや「いいね」を返すこともできました。

つまり、Apple Musicの“フォロー”とは、ソーシャルメディア的な双方向機能だったのです。

時期	機能名	特徴
2015年〜2016年	Apple Music Connect	アーティストをフォローして投稿を閲覧可能
2016年〜2018年	統合版Connect	「For You」内に格下げ、表示頻度が減少
2019年以降	お気に入り機能	フォロー機能を廃止、SNS要素なし

2018年に正式終了、フォロー機能が消えた日

Appleは2018年12月13日に、アーティスト向けに「Connectを終了します」と公式通知を出しました。

その文面には「音楽発見を合理化するため、ConnectをアーティストページおよびFor Youから削除します」と明記されていました。

同日から新規投稿は停止され、2019年5月には過去の投稿も全削除。

この日をもって、Apple Musicの“アーティストフォロー”機能は完全に姿を消しました。

なぜ誰も気づかなかったのか？

多くのユーザーが廃止に気づかなかった理由は、実はもっと前にあります。

2016年のiOS 10アップデートで、Connect専用タブが削除され、「For You」内部に統合されていたのです。

この変更でフォロー投稿は見つけにくくなり、利用者が急減。結果として2018年の正式終了時には、実質“消えていた”状態でした。

Apple自身も「フォロー」よりも音楽発見体験のシンプル化を優先し、SNS的な機能を整理する方向に舵を切りました。

Appleがフォロー機能をやめた本当の理由

Apple Musicがフォロー機能を廃止した背景には、「戦略的撤退」とも呼べる明確な意図がありました。

ここでは、表向きの“合理化”の裏で起きていた本当の理由を3つの視点から見ていきます。

1. SNSとの競合に勝てなかった

最大の理由は、既存SNSとの競争に勝てなかったことです。

2015年当時、アーティストの発信手段はすでにTwitter、Instagram、Facebookで確立されていました。

新たにConnectで投稿するメリットは少なく、アーティストにとっては「もう一つ管理する場所」が増えるだけだったのです。

ユーザーも「音楽を聴きたいときにSNSを見る」必要を感じず、結果的に誰もフォロー機能を使わなくなりました。

対象	課題
アーティスト側	既存SNSと重複、投稿コストが高い
ユーザー側	アプリを開く目的が「聴くこと」に偏重
Apple側	閉じたエコシステムで拡散性が低い

2. Appleが「音楽そのもの」に回帰した

AppleはConnect終了と同時期に、方向性を大きく転換しました。

フォローや投稿といったSNS的要素ではなく、「聴く体験」そのものを磨く戦略に舵を切ったのです。

その象徴がApple Music Radio（旧Beats 1）の強化でした。

著名DJがリアルタイムで番組を放送し、アーティストのインタビューや独占楽曲公開を行う──それは「フォロー」よりも“音楽的なつながり”を重視する再設計でした。

Appleにとって「フォロー」は不要になり、「音楽でつながる」体験が中心になったのです。

3. 二度目の教訓：「Ping」からの学び

Appleは以前にも、2010年に「iTunes Ping」という音楽SNSを立ち上げています。

しかし、偽アカウント・スパム・連携不具合に悩まされ、わずか2年で終了。

この失敗を踏まえ、Connectではユーザー投稿を排除してアーティスト発信だけに絞りましたが、それでも状況は変わりませんでした。

Appleは「音楽サービスにSNSは馴染まない」という結論にたどり着いたのです。

結果として、Apple Musicはフォローという仕組みを切り捨て、「聴くこと」「発見すること」に専念するプラットフォームへと生まれ変わりました。

現在の「お気に入り（Favorite）」機能との違い

Apple Musicの「アーティストフォロー」機能がなくなった今、その代わりに使われているのが「お気に入り（Favorite）」です。

ただし、この機能はかつてのフォローとは目的も仕組みも大きく異なります。

ここでは、その違いと活用法を整理していきましょう。

「フォロー」と「お気に入り」は何が違う？

かつてのフォロー機能は、アーティストがApple Music上に投稿した内容を受け取るSNS的な仕組みでした。

しかし現在の「お気に入り」は、レコメンド精度を上げるためのシステム的な機能です。

アーティストをお気に入りにすると、Apple Musicがあなたの好みを学習し、関連アーティストや新曲をより正確におすすめしてくれます。

項目	旧フォロー機能	現在の「お気に入り」機能
目的	アーティストの投稿を受け取る	おすすめの精度を高める
双方向性	コメント・いいね可能	なし（通知のみ）
表示場所	Connectタブ／For You内	「今すぐ聴く」タブ内セクション
通知機能	新投稿時に表示	新曲リリース時に通知

お気に入り機能は“フォローの代わり”というよりも、“あなたの音楽趣味を学習するセンサー”として進化した存在なのです。

「お気に入りアーティスト」を確認・通知する方法

お気に入りに登録したアーティストを確認するには、「今すぐ聴く」タブを開き、下にスクロールして「お気に入りのアーティスト」セクションを探します。

表示されない場合は、数名以上のアーティストをお気に入りに追加することで自動的に現れることがあります。

また、新曲通知を受け取るには設定が必要です。

iPhoneでは以下の手順を行いましょう。

Apple Musicアプリ右上のアカウントアイコン → 「通知」 → 「新着ミュージック」をオン
iPhone設定アプリ → 「通知」 → 「ミュージック」 → 「通知を許可」をオン

これで、お気に入り登録したアーティストの新曲が出たときにプッシュ通知を受け取れるようになります。

さらに「自動追加」をオンにしておけば、新曲が出た瞬間にライブラリへ追加され、聞き逃す心配もありません。

ただし、通知が届かない・遅延するケースも報告されています。 その場合は設定を一度オフ→オンに切り替えると改善することがあります。

「お気に入り」でできること・できないこと一覧

フォロー機能がなくなった今、何ができて何ができなくなったのかを整理します。

項目	できること	できないこと
アーティストとの接点	新譜通知を受け取る	投稿・コメントなどの交流
おすすめ機能	個人向け推薦の精度向上	手動で投稿をフォロー
表示	お気に入りアーティスト欄で確認	タイムライン型の投稿表示

要するに、「フォロー」は“アーティスト発信を受け取る機能”で、「お気に入り」は“自分の好みを伝える機能”なのです。

今のApple MusicはSNSではなく、「聴く人中心のプラットフォーム」として再構築されているのです。

プロフィール機能とフォロワーの扱い

Apple Musicには、友達同士で音楽を共有できる「プロフィール」機能があります。

これを削除するとフォロワー関係がどうなるのか、知らない人も多いでしょう。

ここでは、Apple公式が定める「90日ルール」と、フォローが消えるトラブルについて解説します。

プロフィールを削除した場合の90日ルール

Apple公式によると、プロフィールを削除してもライブラリやプレイリストは保持されます。

そして削除後90日以内に同じApple IDで再作成すれば、フォロワー情報も復元されるとされています。

ただし、90日を過ぎるとすべてのフォロー関係は消滅し、復元は不可能になります。

操作	結果
プロフィール削除	ライブラリ保持、共有停止
90日以内に再作成	フォロー・フォロワー復元
90日経過後に再作成	新規扱いとしてリセット

この仕様は、iPhone・iPad・MacなどすべてのApple Musicアプリに共通です。

フォロワーが消える原因と対処法

しかし実際には、「90日以内に再作成したのにフォローが戻らない」という報告も見られます。

考えられる原因は、異なるApple IDを使っている、サーバー同期が遅れている、あるいはOSバージョンによる不具合などです。

特にiOS 18ベータ版では、「フォロワーリストが一部しか表示されない」という報告もあります。

その場合は、一度サインアウト後に再ログインするか、Appleサポートへ問い合わせるのが確実です。

現象	主な原因	対処法
フォロワーがゼロになる	90日経過・異なるApple ID	再ログインまたは再作成
一部しか表示されない	OS不具合・同期ミス	アプリ再起動・更新待ち
急に消えた	一時的なサーバー障害	時間をおいて確認

フォロー関係はAppleのサーバー依存のため、完全な手動復元はできません。 そのため、削除する前には必ず注意が必要です。

また、サブスクリプションを解約した場合も、再登録が90日を超えるとプロフィールが消えることがあるため、継続利用をおすすめします。

今Apple Musicでアーティストを追うベストな方法

フォロー機能がなくなった今、「お気に入りのアーティストをどう追えばいいの？」と感じる人も多いでしょう。

実際、Appleはフォロー機能をなくした代わりに、複数の機能を組み合わせて“新しい追い方”を設計しています。

ここでは、2025年時点でApple Musicを使ってアーティストの最新情報を逃さないためのベストな方法を紹介します。

Apple Music 1（ラジオ）で最新情報をキャッチ

フォローがなくなったあと、アーティストの発信の場として存在感を増しているのがApple Music 1（旧Beats 1）です。

著名DJが世界中の音楽を紹介し、アーティスト本人が番組に出演して新曲を語るなど、音楽メディアとしての役割を果たしています。

日本でも「J-Pop Now Radio」「Tokyo Highway Radio」など、アーティスト出演率の高い番組が増加中です。

番組名	特徴	注目ポイント
Apple Music 1	世界最大規模のライブラジオ	最新リリースや独占インタビュー
J-Pop Now Radio	日本の最新音楽シーンを紹介	人気アーティストの出演が多い
Apple Music Club	2024年開始のクラブミュージック専門局	リミックスやDJ特集が豊富

Apple Music 1は無料で聴けるため、フォローがなくても“アーティストの声をリアルタイムで聞ける”最強の代替手段と言えます。

「New Music Mix」や通知で新曲を逃さない

Apple Musicでは、毎週金曜に更新される「New Music Mix」がSpotifyの「Release Radar」に相当します。

お気に入り登録したアーティストや視聴履歴に基づき、新曲を自動的にまとめてくれるプレイリストです。

このほかにも、「今すぐ聴く」タブには個人の再生傾向に合わせた「あなたにおすすめの新曲」や「今話題のアーティスト」セクションが表示されます。

「お気に入りアーティスト」を設定しておく
通知設定をオンにしておく
毎週金曜の「New Music Mix」をチェックする

この3つを習慣化すれば、フォロー機能がなくても新曲を取りこぼすことはほとんどありません。

Spotifyのように自動でフォロワー全員にリリース通知が届くわけではありませんが、Apple Musicはアルゴリズム精度が向上しており、2024年以降は「お気に入り」中心の推薦設計に完全移行しています。

Spotifyとの比較に見るAppleの方向性

Apple MusicとSpotifyの違いは、単なる機能差ではなく哲学の違いです。

Spotifyは「フォロー」を軸にアーティストとファンの関係を構築します。

一方、Appleは「お気に入り」と「レコメンドアルゴリズム」を軸に“聴くこと中心の体験”を設計しています。

比較項目	Spotify	Apple Music
アーティストフォロー	あり	なし（お気に入りで代替）
新曲通知	確実に届く	届くが精度に個体差あり
レコメンド精度	フォロー履歴依存	再生履歴＋お気に入り学習
体験設計	コミュニティ型	没入型（音楽中心）