GPU使用率が低くてCPUばかり高い?原因と解決策を徹底解説

せっかく高性能なGPUを積んでいるのに、なぜかCPUばかり100%でGPUがほとんど働いていない——そんな経験はありませんか?

この現象は多くのPCユーザーが直面する問題で、原因は「設定ミス」「温度制御」「CPUボトルネック」など、意外と身近な要因にあります。

本記事では、GPU使用率が低くCPU使用率が高くなる理由と、具体的な改善策を段階的に解説します。

初心者でもすぐに試せるチェックリストや、ゲーム・AI・動画編集など用途別の最適設定も紹介します。

この記事を読み終える頃には、あなたのPCが本来のパフォーマンスを取り戻すはずです。

目次

GPU使用率が低くてCPU使用率が高いのはどんな状態?

あなたのパソコンで「GPUが全然働かないのにCPUばかり100%」という状況、見たことありませんか?

この章では、その不思議な現象の仕組みを、CPUとGPUの役割の違いから丁寧に整理していきます。

実際にどんな症状が出るのか、そしてどう判断すればいいのかを、わかりやすく具体的に解説します。

GPUとCPUの役割をわかりやすく整理

CPUとGPUは、たとえるなら監督と作業員のような関係です。

CPU(中央処理装置)は「指示を出す監督」であり、パソコン全体の作業の流れを決める頭脳です。

GPU(グラフィック処理装置)は「指示を受けて実際に手を動かす作業員」で、大量の画像や映像を一度に処理する腕力担当です。

理想的な状態では、CPUがタスクを整理し、GPUがその指示に基づいて一気に処理をこなします。

しかし、監督(CPU)が処理で手一杯になってしまうと、作業員(GPU)に指示が届かず、GPUが手待ち状態になるのです。

これが、まさにGPU使用率が低く、CPU使用率が高い状態です。

項目 CPU GPU
役割 全体の制御・判断 映像・画像などの並列処理
得意分野 複雑な分岐処理・指令管理 同じ計算を大量に繰り返す処理
理想の使用バランス 70〜90% 70〜100%

使用率の「低い・高い」はどう判断する?

GPUやCPUの使用率は、Windowsのタスクマネージャーで簡単に確認できます。

ただし、数値の高低だけを見ても意味がなく、「どんな作業をしているか」を考慮して見ることが大切です。

以下の表に、一般的な状態ごとの目安をまとめました。

状態 CPU使用率 GPU使用率 特徴
アイドル状態 5〜20% 10%以下 特に処理なし(正常)
軽い作業中(ブラウジング等) 10〜30% 10%以下 GPUがほぼ待機(正常)
重い処理中(ゲーム・編集) 70〜100% 70〜100% 両者が協働(理想)
CPU高負荷・GPU低負荷 90〜100% 50〜70% CPUボトルネックの可能性

つまり、CPUが常にフル稼働しているのにGPUが半分も動いていない場合、GPUが「待たされている」可能性が高いのです。

ゲームや動画編集では、この現象が特に顕著に現れます。

CPUとGPUの使用率は、連携バランスで判断するのがポイントです。

GPUが働かないときの典型的な症状とは

GPUがうまく働かない場合、パソコンの動作全体に違和感が出てきます。

以下に代表的な症状をまとめました。

症状 原因の傾向
ゲームのfpsが伸びない CPUが処理しきれずGPUが待機状態
動画書き出しが異常に遅い GPUエンコードが無効になっている
AI画像生成が重い CPUが演算を抱えすぎている
操作がカクつく・遅延する CPU処理待ちが発生している

特に、RTXシリーズやRadeon RXシリーズのような高性能GPUを搭載しているのに動作が遅い場合、CPUボトルネックを疑いましょう。

これは、CPUが処理指令を出すスピードが遅く、GPUが十分に仕事をもらえない状態です。

結果としてGPUは「休んでいるように見える」ため、使用率が低く見えるのです。

GPUが動かないと感じたら、CPUとのバランスをまず疑う。

 

まず確認したい基本チェックリスト

GPU使用率が低く、CPU使用率が高いときは、まず「設定や接続の基本」を一つずつ確認することが大切です。

複雑なトラブルのように見えても、意外と単純な設定ミスやドライバー不具合が原因になっていることが多いからです。

ここでは、誰でも簡単に確認できるチェックポイントを順番に紹介します。

GPUが正しく接続・認識されているか?

最初に確認すべきは、GPUがパソコンに正しく認識されているかどうかです。

物理的な接続不良やドライバーの問題で、GPUがそもそも動作していないケースは少なくありません。

Windowsの場合、「デバイスマネージャー」を開き、「ディスプレイアダプター」を展開して、GPUが表示されているか確認しましょう。

もし「!」マークが付いている場合は、ドライバーのエラーを意味します。

確認項目 チェックポイント 対処方法
デバイスマネージャー GPUが表示されているか? 表示されない場合はドライバー再インストール
GPU-Z Bus Interfaceが正しく表示されているか? 「x16 5.0」などになっているか確認
PCIe接続 カードがしっかり差さっているか? ケース内を開けて物理接続を確認

GPU-Zなどのツールを使うと、GPUがどの速度モードで接続されているかがわかります。

「x16 5.0」と表示されれば最大帯域で動作していますが、「x8」や「x4」などの場合は差し込み位置や設定を見直す必要があります。

まずは「GPUが本当に動作しているか?」を確認するのが最初の一歩です。

GPUドライバ・OS・DirectXの状態を確認

次に確認すべきは、GPUドライバーやOS、そしてDirectXの状態です。

古いドライバーを使っていると、最新のゲームやアプリでGPUが正しく使われないことがあります。

特にWindowsアップデートを長期間行っていない場合、互換性の問題が起きやすくなります。

項目 確認方法 おすすめ対策
NVIDIA コントロールパネル→ヘルプ→システム情報 最新ドライバーをGeForce公式サイトから入手
AMD Radeon設定→システム情報 AMD公式サイトから最新版をダウンロード
DirectX 「dxdiag」コマンドで確認 DirectX 12以上であることを推奨

古いドライバーを削除する際は、「Display Driver Uninstaller(DDU)」を使うと安全です。

また、Windows Updateによるドライバー自動更新を無効化して、手動で管理するのも一つの方法です。

GPUドライバーの更新を怠ると、性能が半減することもあります。

電源プラン・パフォーマンス設定を見直す

意外と多いのが、電源設定によるパフォーマンス制限です。

特にノートPCでは「省電力モード」になっていると、GPUがフル稼働できません。

Windowsの「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」から、「高パフォーマンス」を選択してください。

設定項目 確認すべき内容 おすすめ設定
Windows電源モード 「バランス」または「省電力」になっていないか? 「高パフォーマンス」に変更
NVIDIAコントロールパネル 電源管理モード 「パフォーマンス最大化を優先」に変更
AMD Radeon設定 電力効率設定 「高パフォーマンス」に設定

また、ノートPCを使用している場合は、電源アダプターを必ず接続して作業しましょう。

バッテリー駆動では電力が制限されるため、GPUのクロック周波数が下がりやすくなります。

「電源設定の最適化」はGPU性能を最大化するための基本中の基本です。

 

CPUが高負荷になる代表的な原因

GPUがほとんど動かず、CPUだけが高負荷になっている場合、その背後にはいくつかの典型的な原因があります。

ここでは、特に多くのユーザーが見落としがちな3つの要因を中心に解説します。

タスクマネージャーを使った実践的なチェック方法や、設定面での見直しポイントも紹介します。

バックグラウンドアプリや常駐プロセス

最も多いのが、バックグラウンドで動き続けているアプリケーションがCPUリソースを奪っているケースです。

クラウド同期、セキュリティスキャン、チャットアプリなどが常に動作していると、知らぬ間にCPUを消耗します。

特にゲーミングPCでは、録画ソフトや配信プラットフォームの常駐もCPUを圧迫しがちです。

原因アプリ CPUへの影響 対策
クラウドストレージ(OneDrive等) 同期処理がCPUを継続的に使用 必要なときのみ手動同期に変更
セキュリティソフト リアルタイムスキャンが常時CPUを消費 ゲーム中は一時的にスキャンを停止
常駐アップデートサービス バックグラウンド更新でCPUを圧迫 スタートアップを整理

まずはタスクマネージャーでCPU使用率の高いプロセスを確認しましょう。

「スタートアップ」タブで不要な自動起動アプリをオフにすると、起動直後の負荷も軽減できます。

CPUを軽くする第一歩は、使っていないアプリを止めることです。

ソフト側のGPUアクセラレーション設定が無効

GPUを活用できるアプリでも、設定が無効になっているとCPUがすべての処理を担ってしまいます。

これが原因で「GPU使用率が低いのにCPUが100%」という状況がよく発生します。

ブラウザ、動画編集ソフト、配信ソフトなどでは、ハードウェアアクセラレーションの項目を確認しましょう。

アプリケーション 設定場所 有効化方法
Google Chrome 設定 → システム 「ハードウェアアクセラレーションを使用する」をオン
Adobe Premiere Pro 書き出し設定画面 「ハードウェアエンコーディング」を選択
OBS Studio 設定 → 出力タブ エンコーダーを「NVENC」などGPU方式に変更

設定を変更したら、再起動して適用されているか確認しましょう。

もし「ハードウェアエンコード」や「GPU支援」が見当たらない場合、ドライバーの更新や再インストールを行うことで選択肢が追加されることがあります。

CPU負荷の多くは、GPUアクセラレーションが無効なまま動作していることが原因です。

CPUボトルネック(CPUがGPUに追いつけない状態)

最後にして最も根本的な原因が「CPUボトルネック」です。

これは、CPUがGPUより処理能力で劣り、GPUに十分なデータを供給できない状態を指します。

結果として、GPUは待機時間が増え、使用率が低く見えるという現象が起こります。

CPUボトルネックの兆候 具体例
CPU使用率が常に90〜100% GPU使用率が50〜70%に留まる
ゲームでfpsが安定しない GPU温度が上がらずパフォーマンス不足
動画編集が異常に遅い CPUがエンコード処理を独占している

この現象は特に「旧世代のCPU × 最新GPU」の組み合わせで起こりやすいです。

たとえば、第10世代のCore i5とRTX 4090を組み合わせた場合、CPU側が処理しきれずGPUが待たされます。

ボトルネックを確認するには、タスクマネージャーでCPUとGPU使用率を同時に観察してください。

CPUが100%で張り付き、GPUが半分しか動いていないなら、CPUボトルネック確定です。

GPU使用率が上がらないときの実践的な解決策

ここでは、GPUが正しく働かないときにすぐ試せる具体的な設定方法を紹介します。

特に、複数GPU環境(ノートPCや統合GPU+専用GPU構成)では設定次第で性能が大きく変わります。

各メーカー別の設定方法や、ゲーム・ソフトウェア側の最適化手順も整理しました。

NVIDIA / AMD / Intel別の優先GPU設定

まず最初に確認したいのが、アプリがどのGPUを使用しているかという点です。

ノートPCや省電力構成のデスクトップでは、CPU内蔵GPU(統合GPU)が優先されてしまうことがあります。

これを防ぐために、アプリごとに「高性能GPUを優先する」設定を行いましょう。

メーカー 設定手順 ポイント
Windows 11標準 設定 → システム → ディスプレイ → グラフィック設定 アプリを選択し「高パフォーマンスGPU」を指定
NVIDIA NVIDIAコントロールパネル → 3D設定の管理 → プログラム設定 各アプリに対して「高性能NVIDIA GPU」を指定
AMD Radeon設定 → ゲーム → アプリ設定 「高パフォーマンス」プロファイルを選択
Intel Arc Intel Graphics Command Center → アプリ設定 「高性能GPU」を指定

設定を変更したらアプリを再起動し、タスクマネージャーの「GPUエンジン」列で使用されているGPUを確認します。

GPUの選択ミスは、性能が半減する最も単純な原因です。

ゲーム・編集ソフト側でGPU利用を強制する

ソフトウェアによっては、GPUを明示的に指定しないとCPUで処理してしまうことがあります。

ゲームや動画編集ソフト、配信アプリではそれぞれ独自の設定を持っているため、必ず確認しましょう。

ソフトウェア 設定箇所 内容
ゲーム(例:Apex Legends) グラフィック設定 「GPU使用」や「描画デバイス」が正しく設定されているか確認
Adobe Premiere Pro 書き出し設定 → エンコード設定 「ハードウェアエンコーディング(NVENCなど)」を選択
OBS Studio 設定 → 出力 → エンコーダー 「NVIDIA NVENC」や「AMD VCE」を指定

また、垂直同期(V-Sync)をオンにしているとGPUの負荷が制限されることがあります。

フレームレート制限を解除するか、モニターリフレッシュレートより高めに設定すると、GPUがより積極的に動作します。

アプリ側の設定を見直すだけで、GPU使用率が倍近く変化することもあります。

温度・クロック・電源制限を確認する

GPUが本来の性能を出せない場合、ハードウェアレベルで制限がかかっている可能性もあります。

温度が高すぎたり、電源設定が抑制モードになっていたりすると、GPUクロックが下がってしまいます。

確認項目 使用ツール チェックポイント
温度 GPU-Z / MSI Afterburner 80℃を超える場合は冷却不足の可能性
クロック周波数 MSI Afterburner 定格クロックより下がっていないか確認
電源制限 NVIDIAコントロールパネル 「適応型」ではなく「最大パフォーマンス優先」を選択

温度が高いと自動的にクロックを落とす「サーマルスロットリング」が発生します。

ケースのエアフローを見直し、ホコリの除去やGPUファンの回転設定を最適化しましょう。

さらに、MSI Afterburnerなどで「POWER LIMIT」を確認し、100%に設定されているか確認するのも有効です。

GPUの温度と電源設定を見直すだけで、使用率が劇的に改善することがあります。

AI処理・ゲーム・動画編集など用途別の最適化ポイント

GPUが正しく使われない原因は、用途によって異なります。

AI画像生成、ゲーム配信、動画編集など、アプリの種類ごとに最適な設定や工夫が存在します。

この章では、代表的な3つのシナリオ別に「GPUを最大限活かす方法」を紹介します。

AI生成ソフトでGPUを最大限活かす設定

Stable DiffusionやComfyUIなどのAI生成ツールでは、GPUが演算の中心を担います。

にもかかわらずCPU使用率が高い場合は、設定が不適切でGPU計算が有効になっていない可能性があります。

設定項目 推奨値 / 対策 効果
起動オプション –xformers を有効化 メモリ効率と速度の改善
VRAM制御 –medvram または –lowvram GPUメモリの安定運用
半精度演算 –no-half を削除(FP16有効化) VRAM使用量を半減

ComfyUIを利用している場合は、モニター出力用GPU処理用GPUを分けることでVRAMを有効に使えます。

NVIDIAコントロールパネルで「ディスプレイ出力GPU」を確認し、必要に応じて変更しましょう。

AI処理は設定次第でGPU負荷を2倍に高めることも可能です。

ゲーム配信時のGPU / CPU負荷バランスの取り方

ゲーム配信(実況やストリーミング)では、ゲーム描画と映像エンコードが同時に行われるためCPU負荷が急上昇します。

このときにGPUエンコーディングを利用すると、処理が分散されて安定します。

設定項目 推奨設定 目的
エンコーダー NVENC / AMD VCE / Intel Quick Sync エンコード処理をGPUに移行
配信ビットレート 4500〜6000 kbps(Twitch推奨) 品質と安定性のバランス
フレームレート 60fps固定 負荷の一定化・遅延防止

OBSでは「設定 → 出力 → エンコーダー」でGPUを選択できます。

CPU使用率が急増する場合は、エンコーダーが「x264(CPU)」になっていないか確認してください。

ゲーム配信でCPU100%を防ぐ鍵は、GPUエンコーディングの有効化です。

動画編集ソフトでハードウェアエンコードを活用

動画編集や書き出しの際、GPUを活用することで処理速度が大幅に向上します。

ただし、設定を変更しない限りCPUエンコードが優先されてしまうことが多いため注意が必要です。

ソフトウェア 設定箇所 GPUエンコード方法
Adobe Premiere Pro 書き出し → コーデック設定 「H.264 NVIDIA(NVENC)」を選択
DaVinci Resolve Deliver → Codec設定 「GPU対応エンコードプロフィール」を選択
Shotcut / CapCut 設定 → パフォーマンス 「ハードウェアアクセラレーション」をオン

Premiere Proでは、ハードウェアエンコードを使うと書き出し時間が最大10倍短縮されることがあります。

一方で、ドライバーが古いとこの機能が非表示になることもあるため、最新バージョンへの更新も忘れずに行いましょう。

動画編集の高速化=ハードウェアエンコードの活用です。

それでも直らない場合の最終チェックリスト

ここまでの対策をすべて試してもGPU使用率が上がらない場合、ハードウェアやBIOSレベルの問題が関係している可能性があります。

この章では、最後の手段として確認すべき項目をまとめました。

単純な設定見落としから、深刻なハードウェア不良まで順番に切り分けていきましょう。

BIOS・ハード設定・PCIeスロットの見直し

BIOS設定が適切でないと、GPUが正しく動作しないことがあります。

特にマザーボードが統合GPUを優先している場合、専用GPUが無効化されているケースもあります。

確認項目 設定内容 ポイント
PCIeスロット設定 「Enabled」になっているか確認 スロットが無効だとGPUが認識されない
内蔵GPU設定 「Primary Display」を「PCIE」に設定 専用GPUを優先する
リンクスピード 「Gen 5.0」または「Auto」 帯域制限を回避する

設定を変更したら、保存して再起動しましょう。

また、ケースを開けて物理的にGPUがしっかり挿入されているか確認することも重要です。

ロックピンが外れていたり、電源ケーブルが緩んでいるだけでも動作が不安定になる場合があります。

BIOSと物理接続の確認は「最後の基本チェック」です。

計測ツールでボトルネックを可視化する

原因を特定できない場合は、モニタリングツールを使ってCPU・GPUの挙動を「見える化」しましょう。

リアルタイムの使用率や温度、クロック周波数を確認すれば、ボトルネックの所在が一目で分かります。

ツール名 用途 特徴
MSI Afterburner リアルタイムモニタリング GPU温度・クロック・電力の監視が可能
RivaTuner Statistics Server ゲーム中のオーバーレイ表示 fps・CPU/GPU使用率を同時に表示
GPU-Z ハードウェア情報の確認 メモリ使用量やバス帯域を確認可能

これらのツールを組み合わせれば、CPUボトルネックや温度制限、電力制限を即座に把握できます。

また、「Bottleneck Calculator」というオンラインツールを使えば、CPUとGPUの性能差を理論的に算出することも可能です。

数値で可視化することで、思い込みによる誤診を防げます。

ハードのアップグレードを検討すべき条件

設定や最適化では解決できない場合、ハードウェアの性能差が根本原因である可能性があります。

この段階では、CPU・GPU・電源ユニット・メモリなどの構成を見直しましょう。

対象 判断基準 推奨対策
CPU 常に90〜100%使用・世代差3年以上 上位CPUへのアップグレードを検討
GPU VRAM不足や世代の古さ 最新世代への乗り換え(RTX 4000番台など)
電源ユニット 容量不足・5年以上使用 1000Wクラスの80PLUS GOLD以上へ
メモリ 容量16GB未満・速度DDR4以下 32GB以上に増設しDDR5対応へ

ハードの性能バランスが取れていないと、どんなに設定を最適化してもボトルネックが残ります。

特に、高性能GPUを導入している場合は、CPUや電源もそれに見合うスペックが必要です。

「設定で解決しない=性能差による制約」と捉え、冷静にアップグレードを検討しましょう。

まとめ:GPUが動かない原因は「設定」「温度」「ボトルネック」

GPU使用率が低く、CPU使用率だけが高いという現象は、多くのPCユーザーが経験します。

しかし、原因を一つずつ冷静に切り分ければ、ほとんどの場合は自力で改善可能です。

この章では、これまでの内容を整理し、再発防止に役立つメンテナンスポイントを紹介します。

順番に原因を切り分けるのが最短ルート

闇雲に設定を変えるよりも、原因を段階的に追う方が確実です。

次の順序で確認すれば、最小の手間で問題を解決できます。

段階 確認内容 目的
第1段階 GPUの認識・接続確認 ハード的に動いているかを確認
第2段階 ドライバーとOSの更新 互換性と安定性を確保
第3段階 電源・パフォーマンス設定 GPU性能を最大限引き出す
第4段階 アプリ側のGPU利用設定 CPUへの負担を軽減
第5段階 CPUボトルネックの有無を確認 性能バランスを最適化
第6段階 BIOS・PCIe設定 ハード構成の最終チェック

原因を一つずつ確実に切り分けることが、最短で問題を解決する鍵です。

正しい設定とメンテナンスで快適なPC環境を保とう

GPU使用率のトラブルは、一度解決しても再発することがあります。

その多くは、ドライバー更新や設定変更を怠ったことが原因です。

以下の習慣を取り入れることで、安定したGPUパフォーマンスを維持できます。

  • 月に1回はGPUドライバーを更新する
  • Windows Updateで最新バージョンを維持する
  • GPUファンやケース内のホコリを定期的に清掃する
  • スタートアップアプリを定期的に見直す
  • 電源設定を「高パフォーマンス」に固定しておく

また、GPU-Zなどのツールで温度を常時監視し、異常な発熱がないかチェックしましょう。

温度が80℃を超える状態が続く場合は、冷却性能を改善することが重要です。

GPUトラブルの多くは「放置」から始まります。

定期的な点検こそが、長く快適に使うための最大の対策です。

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